K:当初の宣言の時よりもスローダウンしていることは確かです。メルセデスはお客さまがいないところにクルマを造って、「さあ乗ってください」というメーカーではありませんので。

 市場の環境を見ながら、電気自動車と今までのガソリン車をさらに効率を高めたもの、例えば48ボルトのマイルドハイブリッドやプラグインハイブリッドもかなりの割合で入れていますし、エンジン自体の効率も上げています。そうやって性能を高めたものを、今後も売っていきます。

本当に、完全にEVの時代は来るか?

F:それが無限に続くのか、と。

K:その通りです。それが永続的に続くかというと、それは法規制と市場の要求との兼ね合いだと思っています。

F:本当に完全EVの時代って来るのでしょうか?

K:基本の路線はそうだと思っています。ただ、それがいつ来るのか。それに関してはうんとフレキシブルな姿勢でいるべきだと思っています。

メルセデス史上初、EV専用プラットフォームを採用

F:とても良く分かりました。ありがとうございます。で、今回のEQSはメルセデス史上初の電動車専用プラットフォームを採用したと伺いました。

K:はい。EQSは電気自動車専用の車台を新たに立ち上げて使いました。従来のメルセデスの電動車、例えばEQCであればGLCからのコンバージョンですし、EQA、EQBもGLAやGLBといった、従来型のエンジン車を電気自動車化したものでした。しかし今回のEQS、そしてワンサイズ下のEQEは、全く新しい電気自動車専用のプラットフォーム「EVA2」(エヴァツー)を採用しています。