とことん空力性能を追求したデザイン
F：それにしてもEQSは先進的なデザインですね。最上位のクルマでありながら、ガッとした押し出しを控えて、先進的な流線型でシュッとしたライン。これは空力性能を追求してのことですか？
EQS（広報写真）
K：その通りです。従来のガソリンやディーゼルのクルマには、フロント部分にV型や直列の長いエンジンを積みますので、どうしても前が長くなって、その分キャビンスペースが後退してしまいます。（ホワイトボードに描きながら）うんと誇張して画にすると、こんな感じでボンネットが長くなるんです。でも電気自動車に長いエンジンはありません。当然あえて前を長くする必要もありません。その代わりに、というわけではありませんが、電気自動車のデザインのキモは、何と言っても空気抵抗です。何しろ直接電費に関わり、航続距離に関わってきますから。極限まで空気抵抗を抑えたデザインが要求されるのです。
木下潤一さん Photo by A.T.
F：あれ？でも抵抗を抑えて燃費を良くしたいのは、ICEでも同じですよね。
K：ご指摘の通り、ガソリン車でも空気抵抗が大事なのはもちろん同じです。でもガソリン車と電気自動車は決定的に違う部分があります。それは高速巡航時です。
