「真珠庵」寺宝の屏風と襖絵(ふすまえ)の新作

源氏物語図屏風「真珠庵」の特別展示『源氏物語図屏風』(右隻) 写真提供:京都春秋

 大徳寺の本坊から北に延びる細道を進み、裏手に回ると真珠庵の表門が現れます。特別公開は9月20日~12月8日まで。大徳寺中興の祖であり、「とんちの一休さん」として親しまれた一休宗純禅師により、室町時代に創建されました。

 特別公開の目玉は、初公開となる寺宝『源氏物語図屏風』。17世紀に町絵師により描かれたという屏風は、狩野派と土佐派、両方の画風をオマージュしたと考えられる独特な描写が見どころです。『源氏物語』の作者である紫式部は、現在の京都御所の東にある廬山寺(上京区)のあたりに暮らしたと伝わりますが、誕生したのはここ紫野です。真珠庵にある「紫式部産湯の井戸」も見逃せません。

 一方、2018年に現代アーティストらの手で400年ぶりに新調され、話題を集めた方丈の襖絵も4年ぶりに公開されます。『釣りバカ日誌』で人気の漫画家北見けんいち氏による方丈襖絵『楽園』、ゲーム「ファイナルファンタジー」のアートディレクターでイラストレーターの上国料勇氏による『PurusTerrae浄土』など、6人の現代アーティストが描いた現代の襖絵を見ることができます。

PurusTerrae浄土上国料勇氏による真珠庵の方丈襖絵『PurusTerrae浄土』(東面) 写真提供:京都春秋