黄梅院の直中庭と門前名物「大徳寺納豆」

黄梅院「黄梅院」の直中庭。瑞々しい苔と木々の彩りの共演に見ほれる   写真提供:京都春秋

 興臨院から東へ進み、総門手前の細道を南へ進むと黄梅院です。こちらの特別公開は10月5日~12月8日まで。黄梅院は、織田信長が創建し、豊臣秀吉が増築を手がけました。禅寺で現存最古の庫裡(重要文化財)や、桃山時代の絵師、雲谷等顔の障壁画(複製)などが公開されます。千利休が切腹にいたる数年前に作庭した「直中庭」は、苔(こけ)好きにはたまらない美しい苔庭。11月中旬頃からは境内を染め上げる紅葉や、公開期間終盤の散り紅葉も見事です。

 今秋、特別公開となる大徳寺の四つの塔頭以外にも、常時拝観可能な大仙院瑞峯院龍源院にも併せて立ち寄り、方丈や庭園を眺めて抹茶とお菓子をいただき、ホッとひと息つくのもいいでしょう。

 大徳寺をたつ前に、門前名物「大徳寺納豆」はいかがでしょう。精進料理の「大徳寺一久」をはじめ、総門前の大徳寺通にある数軒で手に入ります。お茶請け、箸休め、お酒のお供として、梅干しや塩昆布の代わりや料理の隠し味に使うなど、便利な発酵食品です。口にして笑顔になるか、はたまた眉間にしわが寄るか。食べた人の反応が両極端に分かれるこの逸品、界隈ならではの名物ですので、一度ぜひ味わってみてください。

大徳寺納豆大徳寺の門前名物「大徳寺納豆」