観測史上最も暑かったこの夏の京都。暑さ寒さも彼岸までと、秋分の日を契機に気持ちを秋に切り替えましょう。京都の“秋活”、らくたびのお勧めは洛北随一の名刹「大徳寺」秋限定の特別公開と、ノスタルジックな織物のまち「西陣」エリアの散策です。(らくたび、ダイヤモンド・ライフ編集部)
大徳寺には松並木の南門から
紅葉にはまだ早い今の時期に京都を訪れるなら、洛北の禅寺大徳寺(北区)の四つの塔頭(たっちゅう)の特別公開がお勧めです。塔頭とは、寺院の中に立つ小さな寺院のことで、住持の隠居所として建てられたり、深い信仰を寄せる大名などが一族の菩提寺として建てたりしてきたものです。
鎌倉時代に創建された大徳寺は、20の塔頭と二つの別院からなる大寺院。普段は非公開のところも多いのですが、この秋は、特別公開となる四つの塔頭「真珠庵」「総見院」「黄梅院」「興臨院」に注目です。公開期間はそれぞれ異なりますので、「京都春秋」で事前に確認して出かけましょう。
市バス「大徳寺」停留所からすぐの大徳寺には、北大路通に面した南門から入るのがお勧めです。凛々しい松の並木が続き、境内一円にはおごそかな雰囲気が漂います。最初に目に留まる大伽藍は、「金毛閣」と呼ばれる山門。その向こうに仏殿、法堂、本坊の諸堂が一直線に並び立つスタイルは、禅寺ならではの様式です。
山門は1589(天正17)年、寺からの依頼で千利休が造営したものです。利休が自身の姿をかたどった雪駄履きの木像を山門上に安置したところ、「おぬしの足元を、このワシがくぐらねばならぬのか!」と、激怒した豊臣秀吉により切腹を命じられてしまったという悲劇を今に伝えています。