「千種、お前の1年を俺に預けろ。俺は、男も女もお互いを認め合い“いつか公平”な時代がくるといいと思って『つかこうへい』と名乗っているんだよ。風呂で寝てしまい、我が子を溺死させた母親がいる。母乳を与えながらうたた寝して、我が子を窒息死させた母親がいる。そういうヤツは一生上を向いて歩いたりはしない。でも俺は、お前たち女子プロレスラーだったら、そういうヤツらにも力を与えることができるような気がするんだよ。女子プロレスってなんだ?
普通若い女はおしゃれをしているのに、お前たちは水着一丁で股ぐらを開いている。チャンピオンベルトといったって、ただのメッキだろ?俺はいままで女子プロレスを知らなくて、ちょっとだけ見せてもらったけど、あんな若さで、水着一丁で肌をさらしてぶつかっていく姿は、まるで天に向かうひまわりみたいだな」
在日韓国人二世であるつかこうへいは、韓国から日本にやってきた母親の姿を見ながら育った。「なぜ母親はこんな目に遭うのか」「女性はこんな風に扱われるために生まれてきた訳ではない」と感じ続け、憤り続けてきた。長与千種はつかこうへいを「女性に対して深い共感を持つ方」と心から尊敬している。