「こうあるべきだ」という自分のなかの価値観や過去の記憶、勝手に信じていること、感じていること、考えていること、期待していたことを、否定されたと思ってしまうーーこれが、人間の心の中にある怒りの正体です。
生きものである以上、怒りを完全に捨てることはできませんし、先ほど述べたとおり生存本能として「必要な怒り」もあります。しかし、この「妄想による怒り」に支配されてしまうと、心身を病んでしまうことにもなりかねません。
よって、不要な怒りにとらわれすぎないための訓練が必要です。
人生は思いどおりに
ならないのが当たり前
怒りとは、自分の心の中で起こる火事のようなものです。放っておくと、燃え盛る炎がどんどん大きくなっていってしまい、簡単には消せなくなってしまいます。
大切なのは、火事を起こさないようにする予防策と、起こってしまったときの素早い初期消火です。
大前提として、「人生は自分の思いどおりになることなどほとんどない」そして「他人は自分の思いどおりになどならない」ということを心に留めておきましょう。これがなによりの予防策、不要な怒りを持たないで済む方法になります。
「家族は、友人や恋人は、同僚や部下は、私の思いを理解してくれるはずだ」