「私がこれだけ尽くしたのだから、相応の見返りがあるはずだ」

 などと、他人に対して都合の良い期待をしないことです。

 期待をしたことが実現されないから、「どうして私の思いどおりにならないんだ!」という失望が生まれ、それが怒りになってしまうのです。

 決してマイナス思考を推奨しているわけではありませんが、最近は理想を追い求めすぎて世の中の明るい部分ばかりを見て生きている人が増えた気がします。

 しかし、人生はそんなに甘くはありません。

 私が申し上げたいのは、なんでも自分の都合の良いように考える楽観思考になりすぎないように、ということです。

 それでも、人間ですから腹が立つ瞬間は訪れるでしょう。怒りの感情がこみ上げてきてしまったら、できるだけ火種の小さいうちに消火をすることがとても大事です。

 火事は、酸素と乾燥した燃えやすいものがなければ燃え広がりません。ほどなくして火は消えます。怒りもそれは同じで、一瞬カッとなって火がついたとしても、“燃料”になるものを投下しなければ長続きはしません。

 ですので、そんな状況を自らつくってあげましょう。

 対象が物であれば、それを遠ざける。

 対象が人であれば、その場から離れる。

 これが最善策になります。