恋愛感情がもつれると「好きなのに嫌い」「嫌いなのに好き」というような、なんともいえない感覚に襲われることがありますよね。

 いろいろな感情が入り乱れている状態なので、心の混乱状態といっていいかもしれません。知性も理性もあるはずの大人でも混乱して、相手を罵ったり、時には物理的・心理的の両面で相手を攻撃してしまう――嫉妬は、とてもやっかいな感情なのです。

 心を濁すとされる毒のなかには、簡単に抑えられるものもあれば、非常に解毒が困難なものもあり、その処理の仕方もさまざまです。

 そのなかでも嫉妬は難易度最上位ランク。

 仏教でも扱いが難しい感情とされています。

生物の本能に根差す嫉妬よりも
タチが悪い「社会的な嫉妬」

 シンプルな構造をしていない嫉妬だからこそ「人間って本当に面白いな」と感じさせてくれることもあります。

「今、なにしてたの?」

「どこに行ってたの?」

「携帯電話の履歴見せて?」

 いくら付き合っている恋人同士でも、いつもそんなふうに束縛されたら、相手は「もういいよ……」とウンザリしてしまいますよね。

 でも例えば、連絡もなく朝帰りをして「会社の若い子たちと飲んできたよ」とバカ正直に報告したとします。

 そのときに相手が「あ、そう」と素っ気ない態度をとったらどうでしょう?