女子を東京へ出すと
帰ってこないのはなぜか

 地方女子学生が、地元への進学を求められる理由の1つに、「女子を東京へ出すと帰ってこない」という言説があります。

 地方から離れた若年女性が戻ってきていないことは、先ほども述べた通り事実です。

 しかし、女性ばかりが地方に戻ってこないという現状は、「女性を地元外に出さない」ことで本人の可能性を制限して食い止めるのではなく、女性が戻りたいと思える地域を作ることによって解決すべきです。

 そのためには、なぜ地元を離れた女性が戻りたくないのかを知る必要があります。

 従来は、就職先が充実していないことや所得の低下、不便であること等が主な要因とされてきました。国や地方自治体もこのような要因に対処する施策として、雇用の創出や子育て支援・移住支援などに取り組んできましたが、未だ目に見えた成果は出ていません。

 もちろん、雇用や子育て支援への対策が不十分であることは間違いないのですが、雇用や所得の問題だけではUターン率の高い地方・低い地方の違いを説明できません。

 例えば沖縄県は、可処分所得、可処分所得から基礎支出を引いた差額(経済的豊かさ)のどちらに関しても47都道府県中最下位ですが、Uターン意向が最も高い県でもあるのです。