しかし!700年の時をへて、とんでもない天才が現れて、状況は一変した。

 かれは、インドの全ての学者を論破してしまったのだ。仏教はふたたびシンプルで、みんなのための教え、「大乗仏教」となって、大復活をとげたのだ。

 その天才のなまえは「龍樹」という。「龍樹」という名前をきいたことある?ないよね?ちなみに、ブッダとおなじく、人間である。インド人である。

「ヤバいやつ」だった龍樹が
猛反省してブッダの教えを再定義

 この男、とにかく破壊的な天才なのだ。まず、どんな人物か、紹介する。

 まず、ヴィジュアルから確認していこう。これが龍樹の姿である。

図:P53同書より

 まず、背中のあたりを注目してほしい。めっちゃヘビいるけど、大丈夫?これは、龍樹が「ヘビにおそわれてて絶体絶命」という絵ではない。

 むしろ、龍樹がヘビの力や知恵をもってる、ということをあらわしている。

 要は、龍樹は「めちゃくちゃ強い」ということだ。実際、インドの全学者を論破しちゃったぐらい強かったので。

 実は、ぼくは、龍樹をみるたびいつも「ある人物」を思いだす。

――「論破」というキーワード。
――「すごいけど、あんま友達にはなりたくない」雰囲気。
――色白の肌と、ぽてっとしたくちびる。
…おわかりだろうか。