決め方としては、最終的な目標(マラソンを4時間以内で完走すること)にコミットしてもよいし、その目標を達成するうえでもっともハードルが高いと感じているステップ(週3回ジョギングに行くこと)にコミットしてもいいだろう。

 さらに、このコミットメントを、自分自身へのペナルティや報酬と連動させると一層効果的だ。こうすると、挫折したらそのことがはっきりわかるため、コミットメントに拘束力を持たせるには最強の方法だ。

 これらをすべて実践すると、自ら立てた誓いを守らねばと強く思うようになり、コミットメントを破ることに抵抗感を覚えるようになるだろう。この切迫感こそが、挫折を未然に防ぐのに役立っているのだ。

 コミットメントデバイスを用いてストレッチ目標の達成を促す事例のひとつに、貯蓄に関するものがある。これらのテクニックをすべて取り入れているという点で注目に値する。

 約700人の被験者を対象に、通常の預金口座か、自ら設定した額に達するまで引き出せないコミットメント預金口座のいずれかを開設する選択肢を与える。貯蓄者は目標を、まとまった額のお金が必要な時期(クリスマスシーズンや新学期等)に合わせてもよいし、特定の金額を設定してもよい。