Aの告発を聞いたC専務は、ショックで頭が混乱してしまった。さらに専務室に戻ると営業課の若手社員3人が待ち構えており、それぞれから

「報奨一時金をください」
「B課長に訴えたら『そんなの知らない』って言われました。どういうことですか」

 と詰め寄られた。

「A君の話は本当だったんだ。じゃあどうすればいいんだ?E社労士に聞いてみよう」

 C専務はE社労士に連絡し、明日専務室を訪ねてほしいと頼んだ。

C専務がまずやるべきこととは?

 翌日の夕方、C専務はB課長が行った一連の詳細を話し終えると、E社労士に尋ねた。

「私はいまだにB課長がしていたことが信じられない。今までそんな上司はいなかった。でも本当ならどうすればいいんでしょうか?」
「まずC専務にやっていただきたいのは、B課長を含むメンバー全員と個人面談を行い、実態を把握することです」
「しかしB課長は『部下の手柄を横取りしていない』と否定するかもしれません」
「その可能性はあります。中にはクロージングに同席すれば自分の業績だと思う上司もいますからね」
「早速、明日から面談を始めます。1週間後、また来てもらえますか?」