「においが気になる」
鮮度持続のアイデアは消費者から
開封後の鮮度の持続に着目したきっかけは、消費者からの問い合わせだった。
「これまでに行ってきた『どのような油が欲しいか?』というお客様アンケートでは、『カロリーが低い油』『揚げている時にはねない油』といったアイデアをご提案いただきましたが、一方、実際に当社のお客様相談窓口にお問い合わせでいただくのは、開封後の油のにおいや賞味期限に関する相談がほとんどでした。ここから、お客様が潜在的に求めているのは、開封後に酸化しにくい油だと導き出し、商品化に乗り出しました」
商品発売後の反応は好調で、「においが気にならなくなった」「美味しく食べられる期間が長いので嬉しい」といった声が届いており、吉村氏も「発案から完成までに3年の年月をかけた甲斐がある」と話す。
また、「日清ヘルシークリア」は家庭内食品ロスだけでなく、プラスチックごみ削減にも貢献している点にも注目だ。新商品で採用した容器は、背面の「とって」をなくし、代わりに6つのくぼみを付けることで、従来よりも約39%(900gペットボトル比)のプラスチック量削減に成功しているのだ。
「6つのくぼみは利き手や手の大きさに関係なくフィットします。また、手のひらに収まりやすいサイズ感で、収納もしやすく、最後の一滴まで注ぎやすい仕様になっています。これらの点が評価されて、今年8月に開催された『2024 日本パッケージングコンテスト』で食品包装部門賞を受賞しました」
今ある技術を詰め込み、容器も中身も人や地球環境に配慮し、まさに一般消費者ファーストな商品といえるだろう。しかし、日清オイリオグループは、現状に満足はしていないという。
「もしかしたら10年後にはまた別の問題が現れて、それに対応する新技術や商品が必要になるかもしれません。その時々に求められる商品を提供し続けられるように、これからも潜在ニーズの確認と技術向上に努めていきたいと思います」
(佐田佐知子/5時から作家塾®)
https://www.maff.go.jp/j/press/shokuhin/recycle/240621.html
約6割が油の“酸化を意識”しているにも関わらずそのうち7割は“酸化対策知らず”困っている結果に
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000079676.html