金利上昇と株高の二大要因のおかげで、銀行業界の業績は絶好調だ。2024年3月期決算では、多くの銀行で本業収益が復活している。そんな好業績の恩恵は、現場の銀行員に行き渡っているのだろうか。有価証券報告書に開示されている各行の最新の平均年間給与を集計し、ランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
金利上昇と株高で業績好調の銀行業界
トップ15行の平均年間給与を集計
2024年3月のマイナス金利解除をきっかけに本格的に始まった金利上昇と株高により、銀行業界には強烈な追い風が吹いている。
24年3月期、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と三井住友フィナンシャルグループの純利益は過去最高を更新。みずほフィナンシャルグループも過去2番目に高い純利益となった。国内外の金利上昇で、企業への貸し出しによって得られる資金利益が拡大したことが主な要因だった。
25年3月期は国内金利上昇の影響をフルに受けるため、さらに業績を押し上げることは間違いない。そこで気になるのが、これまでの厳しい事業環境下で実務を支えてきた、現場の銀行員たちの給与だ。
銀行各行の給与制度は、年功序列と年次管理による旧態依然としたものが多いが、最近では賞与の業績連動比率を高める銀行も増えている。実際、三井住友銀行やみずほ銀行では既に賞与の一部は業績連動によって支給されており、三菱UFJ銀行では25年度から賞与が業績連動方式となる予定だ。現場の銀行員は、好調な業績の恩恵を受けやすい状況になっている。
ダイヤモンド編集部は、銀行単体の有価証券報告書を開示している主要銀行を対象に、24年3月期の最新の平均年間給与を集計し、ランキングを作成した。その結果、4位にみずほ銀行、3位に国内最大手の三菱UFJ銀行、2位には三井住友銀行がランクインした。果たして、これら3メガバンクを抑えて1位となった銀行はどこだったのか。(『三菱UFJ銀行が年齢不問で年収2000万円台半ばもアリの役職を新設、「賃上げ8.5%」と「新人事制度」の中身』参照)
また5位以下に目を向けると、新興の銀行やインターネット銀行、有力地方銀行などが食い込んだ。これらの顔触れと共に、次ページで主要15銀行「平均年間給与ランキング」をお届けする。