ニューヨーク市の中心部マンハッタンのホテルの外で大手医療保険会社の幹部が殺害された事件をきっかけに、米国では保険業界に対する怒りが噴出した。国民の間では、医療制度が抱える問題の原因は保険業界にあるとの見方が強い。憤りの声は医師からも上がっている。米医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループ傘下のユナイテッドヘルスケアのブライアン・トンプソン最高経営責任者(CEO)は今月、投資家向け説明会の会場となっていたホテルの外で射殺された。医師らは同社を含む保険会社に対する不満について、日々やりとりする中で生じたものであり、長年にわたり蓄積されてきたものだと語る。医師が特に不満を抱くのは、患者の治療費を支払うよう保険会社を説得するためにかかる手間や費用だ。最終的に承認されたとしても、MRI(磁気共鳴画像装置)検査など、重要だが費用のかかる医療処置を巡って交渉と事務作業に何日もかかることが多いという。
米保険会社の対応は悪化の一途、医師の不満蓄積
費用のかかる医療処置では保険会社との交渉や事務作業に何日もかかることが多い
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