顧客との「接触頻度」を保つには
――どうすれば継続的な関係を作ることができますか?
今井 一度だけ強い印象を残しても、その後忘れられてしまうこともありますよね。
福島 おっしゃるとおりで、時間が経つほど、そして顧客が増えるほど、継続的なフォローがしづらくなります。
なので僕は、接触頻度を保つためにSNSを活用しています。X(旧Twitter)やFacebookで日常や仕事の近況を発信することで、自然に自分の活動を継続的に伝えられます。久しぶりに会った顧客が「福島くん、いつもX見てるよ」と言ってくれることは少なくありません。
今井 SNSでの発信が、記憶を呼び起こす「トリガー」になるわけですね。
福島 SNSを見てくれていれば、「最近、こういうことをしてたよね」と話題にしてもらえます。久しぶりの商談でも会話がスムーズになりますし、自然と関係が継続していきます。
「メール連絡」で満足しない
今井 そのためには、そもそもFacebookでつながってもいいと思ってもらえないといけませんよね。簡単なことではありませんが、そこはどうやっていたんですか?
福島 商談の最後に、あえて「今後の連絡手段はどうしますか?」と必ず確認するようにしていました。もちろんメールがいいという人もいますが、経営者の方はFacebookのメッセンジャーを好むことが多いので、その場でつながれることもあります。
今井 なるほど、連絡手段としてつながって、そこから関係を構築していくんですね。
福島 はい。メッセンジャーでやり取りすることで、ちょっとした質問や報告がしやすくなりますし、SNSを通じて自分の活動も自然と伝えられます。
すべての「顧客」に執着しない
今井 すべての顧客に強い印象を残すのは難しいですよね。
福島 思い出してもらえない顧客には執着しないようにしています。記憶に残らないということは、それまでの関係だったということ。新しい顧客に集中し、その人たちの記憶に残る努力を続けた方が建設的です。
今井 すべての人に対応しようとすると、かえって効率が悪くなりますからね。
福島 そうですね。営業パーソンは限られたリソースで動いているので、離れていく顧客を無理に追いかけないことも大切だと思います。
まとめ:お客様の記憶に残るために
今井 お客様の「記憶に残る人」になるためのポイントをまとめると、どのようになりますか?
福島 次の3つが大事ですね。
1:強い印象を残す意識を持つ
2:SNSを活用して接触頻度を保つ
3:すべてのお客様を追いかけない
今井 これらを意識すれば、顧客の記憶に残る存在になれそうですね!
福島 営業は「人と人」の信頼関係が大切です。印象を残し、次につながる関係を築いていきましょう。
(本稿は、営業職の情報プラットフォーム “YEALE(エール)”企画によるトークセッション形式のイベント「セールスハッシュタグ」で行われた、『記憶に残る人になる』の著者・福島靖氏と『Sales is』の著者・今井晶也氏の対談をもとに構成したものです。 YouTube(2B Sales チャンネル)から、対談の動画も視聴できます)