会社の変革を妨げる「最もやっかいな人」の特徴とは?技術に詳しい社員こそ要注意なワケ写真はイメージです Photo:PIXTA

進化が加速する時代に何が起こるのか
「過去の出来事」に学ぼう

 これからの社会は、いよいよ大変革期に入る。

 評判になった『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ(原題:The Future Is Faster Than You Think)』は、ピーター・H・ディアマンディスとスティーブン・コトラーによる著書で、急速に進化するテクノロジーがどのように産業や日常生活を変革していくのかを探る内容である。

 本書ではAI、ロボティクス、3Dプリンティング、バーチャルリアリティー、ブロックチェーンなどのテクノロジーが、単独で進化するのではなく、コンバージェントする(融合して一つにまとまる)ことでその影響力を指数関数的に増幅させ、産業全体に画期的な変化をもたらすと主張している。

 例えば、医療の領域では、AIやウェアラブルデバイスにより、診断、治療、個別化医療が革新される。交通においては、自動運転車、ドローン、ハイパーループが移動手段を再定義する。教育分野では、VRやAIによる個別化・没入型の学習が可能になる。小売ではスマートデバイスと予測AIが買い物体験を向上させ、不動産と都市領域では、スマートシティや自動化サービスが生活と職場環境を進化させる――など、もうすべてが「ガラガラポン」で変わっていくのである。

 また、ネットに接続できる世界中の人が、これらの技術革新にアクセスすることができ、関連する新たなビジネス機会が生まれる。

 その一方で、既存の産業が崩壊または大きく変容し、新たに生まれ変わるため、法や社会、そして個人はそれらの変化に適応していかなくてはならない。そして、これらの変化は、皆が思っているよりもずっと早く来るだろうと、著者たちは予測している。