銀行とIT業界は何が変わる?2025年就活を左右する“必須スキル”写真はイメージです Photo:PIXTA 

業界の最新動向や注目すべきキーワードを把握し、求める人材の特徴を知ることは、志望企業を絞り込むために大いに役に立つ。入社後のミスマッチを防ぐことにもつながるだろう。企業分析のプロたちの視点を取り入れて業界研究を充実させよう。銀行、IT業界の現況と展望を約500字でサクッと解説する。(取材・文/ダイヤモンド・ライフ編集部)

*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2025」の「親子で選ぶ『自分に合った』業界&働き方 企業選び編」を転載したものです。

銀行業界

 過去20年間の低金利時代から脱却し、金利上昇の兆しが見えてきた銀行業界。預金金利と貸出金利の差(利ざや)が拡大したり、銀行が運用している債券の運用利回りが改善するなどしたりして、銀行の利益が増える追い風が吹いている。

 そこで各行は新卒の給与を引き上げ、人材の確保を急いでいる。メガバンクでは、従来の対面業務や融資判断などにデジタルの知見を組み合わせて、業務の差別化やイノベーションを試みている。過去のデフレ時代には求められなかったスキルが急速に重要視されてきている。

 業界の構造も変化している。今後、地域銀行は、人口減少により預金が減る可能性があり、都市部に預金が集中していくと予想される。顧客を深く理解することで個別化したサービスを提供し、長期的な関係構築を図る「リレーションシップバンキング」の強化も重要になるだろう。若手行員には、金利や有価証券運用に関する知識が求められよう。

 最近では、コーポレートベンチャーキャピタル*1や新規事業の立ち上げも活発。ソニーフィナンシャルが暗号資産を安全に管理・取引するためのウォレットを開発したような、新しい方策にも注目だ。

*1 事業会社が自社の戦略のために、自己資金でファンドを組成し、上場していないベンチャー企業に出資したり支援をしたりすること

(ピクテ・ジャパン 大槻奈那氏への取材を基に構成)