
就職・採用に関する調査、分析を行う、リクルート就職みらい研究所所長の栗田貴祥氏が、就活の最前線を語る連載の第28回。今回は、2026年卒の就職活動序盤の状況を見ながら、早期化の現状と、その中で、就職活動を行う学生に意識して欲しいことや、就職活動での動き方について提言する。(リクルート就職みらい研究所所長 栗田貴祥)
2月1日時点で4割が内定獲得
早期化に戸惑う学生たちの現状
26年卒学生の就職活動は、早くも本格稼働の様相を見せています。
25年2月1日時点の就職内定率は39.3%となり、3月1日の情報解禁を前に、約4割の学生が内定をもらっていることがわかりました。前年と比べると、15.4ポイントアップという結果でした。現在の就職活動スケジュールとなった2017年卒以降、過去最高の数字を大幅に更新した形になりました。
面接選考への参加状況を見ると、2月1日時点で「最終選考を受けたことがある」と回答した大学生の割合は48.1%でした。「最終選考は受けたことがないが、面接選考は受けたことがある」と回答した学生を含めると、76.0%が面接を経験しており、選考の早期化が数字からも読み取れる結果になりました。
では、こうした傾向を当の学生はどのように捉えているのでしょう。
肯定的な意見として「早期化していることで、早くに進路が決まり安心できるのでうれしい」といった声がある一方で、「自己分析や企業研究を今から本格的に深めようと思っていたら、選考に呼ばれた」「準備不足で、志望動機もまだあいまいなまま。このまま選考を受けてもいいのか不安がある」といった不安の声も出てきています。
「採用活動の解禁といわれている時期と実際の採用活動のスケジュールにギャップを感じている」「早期化が進みすぎていて選考の準備に追われ、勉強がおろそかになってしまう場面が多々ある」といった声もあり、採用活動の早期化に対して困惑している様子が読み取れます。