ブドウ糖と果糖の違い
超高速で容赦なく脂肪がつく
ここでちょっと、肝臓内で果糖が代謝される機序を説明しておきましょう。
腸への到着後、「肝臓直行ルート」を通って肝臓に入ってきた果糖は、まず肝細胞の燃焼器官であるミトコンドリアで処理されることになります。ミトコンドリアは細胞内のエネルギー生成器官。通常、果糖はミトコンドリアにおいて肝細胞のエネルギー源として利用されるのですが、その処理能力には限界があります。
つまり、ミトコンドリアのキャパをオーバーした大量の果糖が入ってきてしまうと、肝細胞内で未処理の果糖がたくさんあふれることになる。そして、それらの果糖がどんどん中性脂肪へと変換されて、細胞内にたまっていくのです。
それに、果糖の脂肪化はインスリンを必要としません。ブドウ糖の場合はインスリンの出方次第で脂肪化の進み具合に影響が出るのですが、果糖の場合はインスリンの手間をかけることなくスピーディーに脂肪生成が進むことになります。
このため、普段から過剰に果糖を摂っていると、“超高速で”“容赦なく”“大量の”脂肪がつくられていき、結果、そう時間をかけることなく、肝細胞が脂肪でパンパンにふくらんでしまうような状況になるわけです。
さらに、果糖の過剰摂取は、肝細胞を破壊することにもつながっていきます。それというのも、果糖が過剰に入ってくると、果糖の処理を一手に引き受けているミトコンドリアの機能に障害が発生してしまうのです。
果糖ドリンクの肝臓攻撃力は
まるで「誘導ミサイル」
つまりこれは、過剰な果糖が肝細胞のミトコンドリアを直接攻撃するようなもの。この攻撃を受けるとミトコンドリアが弱って、細胞のエネルギー源であるATPをうまくつくれなくなってしまいます。
すると、エネルギー不足になった肝細胞が大混乱に陥り、ミトコンドリアの脂質異常が発生したり、細胞障害性のある活性酸素が増産されたりと、しっちゃかめっちゃかの状態になってしまいます。そして、こういった混乱状態が続くことで肝細胞が次々に破壊されていってしまうわけです。