酒を楽しむ男女写真はイメージです Photo:PIXTA

「アルコールは健康に恩恵をもたらすミラクルフード」と糖尿病専門医である著者は説く。もちろん、血糖値を上げすぎないことが大前提だ。ビール、紹興酒、梅酒、ウイスキー、ジン、焼酎、白ワイン、赤ワイン、日本酒などの中で「痩せ効果」「美肌効果」も得られるアルコールはどれなのか?お酒のベストな飲み方を伝授する。本稿は、牧田善二『疲れない体をつくる最高の食事術』(小学館)の一部を抜粋・編集したものです。

アルコールとともに食事を楽しんで
血糖値を上手にコントロールしよう

 意外に思われるかもしれませんが、私が推奨するミラクルフードとして、アルコールが入ります。多くの患者さんを診てきた経験からも、私自身の体験からも、アルコールは健康に恩恵をもたらし、疲労回復に寄与します。

 一般的に言われているようなリラックス効果があるのはもちろんのこと、上手にお酒を飲みながら食事をすることで、血糖値のコントロールがうまくいくからです。血糖値の乱高下が疲労を呼びます。

 私の患者さんたちの多くは、「FreeStyleリブレ」という測定器を用いて、普段から自分の血糖値の変化を把握しています。

 この機器は、食事中はもちろん、入浴中も就寝中もずっと装着していられるため、「どんな状況で血糖値がどう変動するか」が一目でわかるのです。

 私自身も、食事内容が血糖値に与える影響について、自分の体を使ってたびたび実験・調査を繰り返しています。

 その結果、患者さんたちと私が共に明確に認識しているのが、「ビールや紹興酒、甘い梅酒などを除いて、アルコールは血糖値を上げない」ということです。

 むしろ、お酒を飲むと血糖値は下がります。実際に「アルコール性低血糖」という症状があり、生化学の教科書にもその実例が載っています。

 血糖値が上がらなければ、疲れないし太りません。ですから、アルコールを上手に生活に取り入れている人は、案外、健康なのです。

ウイスキー、ジン、焼酎などの
蒸留酒に糖質はほぼ含まれない

 みなさんの周囲の人たちを思い起こしてください。お酒好きの人は太っているでしょうか。そうではなく、むしろスマートな人が多いのではないかと思います。

 反対に、巨体をゆらし、息を切らして歩いているような人は、お酒よりも米飯や麺類などの主食が好きではありませんか。

 あるいは、糖質の多いビールばかり飲んでいたり、飲んだ後にシメのラーメンを食べたりしていませんか。