3種類の所得に該当するなら
必要経費を算入できる
副業の収入や報酬から所得税が源泉徴収されている場合、所得税の確定申告を行うことで納めすぎた税金が還付される可能性が高い。そのため、副業による所得が20万円以下の場合でも確定申告をしたほうがいい。
また、医療費控除や雑損控除、寄附金控除を受けたい場合など、年末調整では対応できない控除を申請する必要があれば、副業の有無にかかわらず確定申告を行う必要がある。
インボイス制度に対応するため適格請求書発行事業者として登録している場合は、課税事業者となり、副業による所得が20万円以下の場合でも消費税の確定申告が必要となる。消費税を納める義務が生じるためだ。
「副業が雑所得、事業所得、不動産所得に該当する場合には、必要経費が認められる」と、弥生プロダクトマネジメント部の波多江友香氏は話す。
パートやアルバイトで得た副業収入は給与所得に該当する。それに対し、副業で得た所得は、基本的に業務による雑所得として確定申告を行うケースが大半である。
雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも当たらない所得のことだ。副業で得た収入から必要経費を差し引いて算出する。
事業所得は、農業、製造業、卸売業や小売業など、事業主自身が独立して営む事業で得た収入から必要経費を差し引いた金額であり、雑所得とは区別される。また不動産所得は、土地の賃貸料やアパートなどの収益物件の家賃収入などを指す。
この雑所得、事業所得、不動産所得に該当する副業なら、収入を得るためにかかった費用は必要経費として算入できる。
必要経費に該当するのは、その年に生じた販売費や一般管理費、その他業務上の費用である。
具体的な例としては、事業で使用するパソコンやスマートフォン、タブレットの購入費や通信費が挙げられる。また、打ち合わせや取材にかかる交通費や飲食費、さらにはコワーキングスペースの利用料も経費として計上できる。加えて、コピー用紙や文房具などの事務用品の購入費用や、自宅を事務所や仕事場として利用している場合には、水道代、電気代、家賃の一部も必要経費に算入できる。
ここで1つ、注意すべきポイントがある。