「フジが10時間会見したんだから文春も会見すべき!」「ごめんなさい間違ってました、で済む段階ではないのでは?」 「文春が正義みたいになってるの異常!」などとの非難の声であふれた。直前まで「フジテレビ倒産」などと経営危機を煽るような投稿ばかりだったから大きな変わりようだ。
さらに、訂正のきっかけが、元大阪府知事・大阪市長の弁護士の橋下徹氏から、「しれっと誤りを上書きするのは不誠実」の指摘、という文春編集長の説明も火に油をさした。余談だが、 ネット上の「goo辞書」国語辞書の検索ランキングでは、「しれっと」が1位だった(1月31日現在)。
新聞・テレビなどもオールドメディアも大きく報じたのはご存じの通りだ。特にフジサンケイグループの産経新聞は社説(1月31日付)で、「週刊文春の一連の対応は『雑誌編集倫理綱領』が求める姿勢に反するものだ。経緯の詳細を明らかにすべきである」と“援護射撃”した。
ボタンの掛け違いは
初動対応の失敗
1月27日の“10時間会見”に至るフジテレビの危機管理広報は失敗続きだった。詳しくは筆者の過去記事をご覧いただきたい。
さて、いささか長くなるが重要なので経緯を振り返ろう。
(2)27日、フジテレビが「事実でないことが含まれ、当該社員は会の設定を含め一切関与していない」と否定コメント。
(3)1月8日、週刊文春が第二弾記事。
(4)9日、中居氏が「トラブルがあったことは事実」と公式サイトで認める。
(5)14日、大株主の米投資ファンドが「第三者委員会調査を要求」と報道。
(6)15日、フジテレビが「昨年より外部の弁護士を入れて事実確認の調査を開始」とコメント。
(7)16日、週刊文春が第三弾記事。
(8)17日、フジテレビが第一回会見。“閉鎖会見”と非難を受ける。
(9)18日、トヨタ自動車や日本生命保険など大手スポンサーがCM差し止めへ。
(10)23日、週刊文春が第三弾記事。フジテレビは日弁連ガイドラインに則った第三者委員会の設置を発表。
(11)27日、週刊文春が電子版記事(有料)に「女性は中居氏に誘われた」と一部修正。フジテレビは社長会長の退任を発表し、第二回会見。“10時間超会見”となる。
(12)28日、週刊文春が訂正を公表。フジテレビは「当初より一貫して、社員は食事会の設定を含め一切関与していないと主張」とコメント。