
インターネットを通じた投資サービス「ソーシャルレンディング」最大手で累計3000億円を集めたクラウドバンクで、内紛が発生しているもようだ。約10年間、社長を務めた金田創氏が今年1月末に突如解任されたのだ。背景には、金田氏と、クラウドバンク実質株主の対立が浮かび上がる。3000億円のうち、約370億円は現在も運用中とみられ、投資家も無関係ではいられない。(フリーライター 村上 力)
クラウドバンク社長解任の背景に
影響力を持つ実質株主との対立が浮上
インターネットを通じて投資家から資金を募集し、会社などへ貸し付けることで金利を分配するソーシャルレンディングは、近年、急拡大している投資サービスだ。その中でも最大手の実績を誇るクラウドバンクが今、内紛に揺れている。
クラウドバンクは2013年からソーシャルレンディングに参入、これまで累計3000億円を超す資金を集めてきた。クラウドバンクにソーシャルレンディング創成期から参入し、16年から社長を務めてきたのが金田創氏である。
ところが今年に入り、金田氏が解任される事態が発生した。
クラウドバンクは集めた3000億円のうち、現時点で約370億円超を運用中。現在も多数のファンドを設定し投資家から資金を募集している。投資家保護の観点から、適切な情報開示が求められるが、金田氏の解任についてはいまだホームページなどで一切の事情を公表していない。
その背景を探ると、金田氏、そしてクラウドバンクに影響力を持つ実質株主との対立が浮き彫りになってきた。