
ソーシャルレンディング/不動産クラウドファンディングの比較検索サイト「ゴクラク」の鈴木拓郎編集長と、同サイト運営会社Virtual Wallの仲山智久取締役が、ダイヤモンド編集部の取材に応じた。鈴木編集長はソーシャルレンディング最大手のクラウドバンクに2000万円を投資していたが、4月、償還遅延が明らかになったという。現役世代の投資家が急速に広がるソーシャルレンディング業界で、なぜ不祥事が相次ぐのか。緊急特集『ソーシャルレンディング 闇の紳士録』の#5で、2人に聞いた。(フリーライター 村上 力、ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)
10年前からクラウドバンクに投資
それまで損をしたことがなかったが…
――鈴木さんはクラウドバンクに多額を投資し、最近、かなりの金額の償還が遅延していると聞きました。
鈴木 クラウドバンクの太陽光発電ファンドに2000万円分を投資していましたが、償還が遅延となってしまいました。正直、2000万円は返ってこない可能性もあると思っています。
――数あるソーシャルレンディング業者の中で、なぜクラウドバンクを選んだのですか。
鈴木 私は2015年からクラウドバンクに投資していますが、それまで損をしたことがなかったんです。
15年にクラウドバンクのセミナーに参加し、そこで信頼できると感じました。クラウドバンクはソーシャルレンディングの中で一番実績があり、歴史も長い。なので、ガッツリ入れてしまったという感じです(苦笑)。
――そもそも、なぜソーシャルレンディングに投資したのですか。
鈴木 銀行預金の金利もずっと低迷していたので、資産運用をしたいと思ったからです。
でも株だと値動きがあって怖い。ソーシャルレンディングの場合、1万円から始められ、毎月決まった額が分配されます。担保もしっかり取っているので元本がなくなるリスクも少ないと考えました。
それに株のように面倒な手続きも要りません。投資をするとAmazonギフト券やキャッシュバックがもらえるキャンペーンを最近はやっていて、金利以外の見返りが良いように見えました。
1万円から始められる手軽さや利回りの高さから、投資家が拡大しているクラウドファンディング。お金を借りたい人と、運用したい人をつなぐ機能としても注目されるが、改善すべき課題も多いと鈴木編集長らは指摘する。次ページでそれを明らかにする。