米経済が景気後退(リセッション)に陥る可能性を巡り、懸念が深まっている。ドナルド・トランプ大統領は週末、この懸念を和らげることはほとんどしなかった。一方、ハワード・ラトニック商務長官は9日、「米国で景気後退は起きない」と述べ、火消しに努めた。大手銀行のエコノミストらは、ますます悲観的な見方を示している。ここ数日で、景気後退確率を引き上げたり、経済成長見通しを引き下げたりしている。JPモルガン・チェースのエコノミストらは10日、年内に景気後退入りする確率を年初時点の30%から40%に引き上げた。「米国の極端な政策により、米経済が年内に景気後退に陥る重大なリスクが存在する」と記した。ゴールドマン・サックスのエコノミストらは7日、向こう12カ月以内に景気後退入りする確率を従来の15%から20%に引き上げた。トランプ政権が「経済指標が大幅に悪化しても、政策にこだわり続ける」場合、景気後退入りの確率はさらに引き上げられる可能性があるとした。政策金利については、年内に計2回の利下げが実施されるとの見通しを据え置いた。