
トランプ政権で2会合連続据え置き
2025年中「2回利下げ」は維持
FRB(米連邦準備制度理事会)は、3月18~19日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、政策金利(FFレート誘導目標)を4.25~4.5%に維持することを決めた。政策金利据え置きは、トランプ政権発足直後の1月FOMCに続き2会合連続だ。
トランプ政権による関税引き上げや移民規制強化が打ち出され、経済政策の内容や米経済への影響が十分に見通せない中、予想通りの結果といえる。
パウエル議長は会見で、FOMCメンバーが経済や物価の見通しに関する不確実性の高さを共有しているとし、トランプ政策の影響を解析する上ではシグナルとノイズとを分離することに注力すると語った。
米経済の不確実性が高まる中、今後、インフレ率や景気の動向についてどれだけがトランプ政策の影響によるものかを注視しながら政策運営を進める考えを示したものだ。
3月FOMCで示された新たな2025~27年にかけての見通しでは、実質経済成長率はいずれも下方修正されたものの、インフレ率は、25年が上方修正されただけで関税引き上げの影響は一時的との見方だ。
トランプ経済政策では財政規制緩和が景気を下支えするとの見方から景気への下押し効果はそれほど強くないとみて、年内2回の利下げ見通しは維持された。
だがFRBのシナリオ通りにいくのかどうかには、不確実性が残る。