
世界三大投資家として名を馳せるジム・ロジャーズ。彼は「日本銀行は景気をコントロールせず、市場に任せるべき」と話す。しかし、日本経済においては中央銀行が市場介入によって景気をコントロールするのは珍しい話ではない。ジム・ロジャーズが日銀の市場介入を批判するワケとは。※本稿は、ジム・ロジャーズ(著)、花輪陽子(監修・翻訳)、アレックス・南レッドヘッド(監修・翻訳)『「日銀」が日本を滅ぼす 世界3大投資家が警告する日本の未来』(SBクリエイティブ、SB新書)の一部を抜粋・編集したものです。
「日銀は政府の言いなり」ではない
中央銀行をめぐる最大の誤解
日銀、中央銀行について述べたい。中央銀行とは、通貨を発行し、国や特定地域における金融機関の中核となり得る、銀行や金融機関のことを言う。
日本であれば「BOJ(Bank of Japan/日本銀行)」、アメリカなら「FRB(Federal Reserve Board/連邦準備制度理事会)」、イギリスであれば「BOE(Bank of England/イングランド銀行)」、EU(欧州連合)であれば「ECB(European Central Bank/欧州中央銀行)」などが、中央銀行に該当する。
世界最古の中央銀行はスウェーデンのスウェーデン国立銀行であり、設立は1668年。2018年に創立350年を迎えた歴史を誇り、「Riksbank」とも呼ばれる。
金融政策は各国が独自に取り組むだけではなく、世界各国の中央銀行が協調することが求められる。そのため、各国の中央銀行やECBなどのトップに加え、同じく各国の財務大臣などが定期的に集まり、金融や世界経済に関する会議を開催している。G7やG20である。