オープンな環境での
プロダクト開発を考える

「自社の強みを活かすこと」に固執し、新規プロダクトを閉じた環境の中でのみ展開しようとする傾向が、多くの大企業で見られます。しかし、現在のプロダクト開発では、他社との連携や協力を前提にすることで、より大きな市場を生み出せるケースが増えています。

 これまでは、自社内で完結するプロダクトやサービスを構築し、競争力を維持することが主流でした。しかし、技術の進化と市場の変化により、他社との協力関係がプロダクト成長の鍵を握るようになっています。例えば、スマートフォンのアプリ市場では、多くのサービスが単独ではなく、他のサービスと連携できるようにすることで、より多くのユーザーに利用されるようになっています。

 これはソフトウェア産業だけではなく、自動車産業などのハードウェア製造においても同じです。実際、例えば自動車業界では既にさまざまな部品の仕様共通化などで各社が協業し、プロダクトの競争力を高める取り組みが行われています。また、ソフトウェア・ディファインド・ビークル(SDV)と呼ぶ、スマホのようにソフトウェアでアップデートされる自動車開発のプラットフォームでの協業も始まっています。

 オープンな環境でプロダクトを開発することは、自社の技術や販売網に依存せず、より多くのユーザーにプロダクトを届ける機会を増やすことにつながります。新しいプロダクトを開発する際に、他社のシステムと連携できる仕組みを取り入れれば、利用者が自社のサービスだけでなく、すでに使い慣れた他のサービスと組み合わせて利用できるようになります。他社と協力することで、市場全体を拡大する戦略が可能になるのです。

 また、単独での市場開拓にこだわらず、他社との共同開発や販売パートナーシップを積極的に活用することも重要です。新しいプロダクトを一企業だけで成功させるのは容易ではありません。他社と協力することで、市場開拓のスピードを加速させることができます。