さらに、データの活用においても、閉じた環境ではなく、顧客が他のシステムとデータを共有しやすい形にすることで、より広範な市場と連携することができます。自社だけでデータを囲い込むのではなく、オープンな環境でデータを活用することにより、プロダクトの利便性が向上し、競争力のあるプロダクトへと進化する可能性が高まります。
社内ガラパゴスから抜け出し
市場への適応力を高める
社内ガラパゴス化を防ぐためには、既存の評価基準や戦略の枠組みを超えて、新たな市場適応力を持ったプロダクト戦略を構築する必要があります。大企業が新規プロダクトを成功させるには、従来の成功モデルに固執せず、新たな市場適応戦略を取り入れることが求められます。
短期的な収益指標ではなく、プロダクトの成長指標を重視することで、新規事業の適切な評価を行うことができます。また、成長のタイミングを見極め、市場拡大のプロセスを慎重に進めることで、リスクを最小限に抑えながら事業を拡大できます。さらに、オープンなエコシステムを前提にした設計を取り入れることで、市場との適合性を高め、競争優位を築くことが可能になります。
これらの戦略を実行するには、企業の組織構造や文化そのものを見直す必要があります。新規プロダクトを成功させるためには、プロダクトを生み出し、成長させるための組織体制が不可欠です。
次回は「新規プロダクト事業を生み出すための組織」をテーマに、持続的なイノベーションを可能にする組織体制について解説します。
(クライス&カンパニー顧問/Tably代表 及川卓也、構成/ムコハタワカコ)