
グループ全体での管理戸数が30万戸を超えた合人社計画研究所。東京本店長の徳川誠氏は「外部管理者方式はマンションデベロッパー、管理組合、管理会社の3方にメリットがある方式だ」と強調、将来的には全ての管理物件を外部管理者方式に切り替えると意気込む。特集『それでも買う!狂乱の市場に克つ! マンション 最強の売買&管理術』(全33回)の最終回では、業界でも異例の勢いで外部管理者方式を進める合人社の戦略について徳川氏に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
デベロッパーとの合弁会社での新築マンション向け
外部管理者方式事業が好調、管理戸数前期比1.4万戸増加
――2025年3月期決算の振り返りをお願いします。
グループ全体では、24年3月期の管理戸数は前期比1万戸増加でした。これが25年3月期は1.4万戸増加となり、グループとしては30万戸を突破しました。成長の理由は合弁会社の増加です。最近の例ですと、積水化学工業、オープンハウス・ディベロップメント、投資用マンションを開発するGA technologiesなどと合弁会社を設立しました。これらの企業が開発する新築マンション向けに、外部管理者方式による管理を提供するためのものです。他にも新興マンションデベロッパーで管理に対しての知識がなく、管理事業に経営資源を割けない企業や、グループにすでに管理会社があるが、外部管理者方式を自社でやると採算が合わないという企業と組んでいます。デベロッパーからの引き合いはかなり強いです。
外部管理者方式は、もう10年以上社を挙げて積極的に推進しています。グループで現在約5500組合を管理受託していますが、その中で外部管理者方式の採用は1700組合を超えました。いずれは全ての組合に広げるという方針のもと、新築マンションへの導入のみならず既存マンションで理事会管理方式からのリプレイスも強化しています。
国土交通省が外部管理者方式のガイドラインを設定し、いずれ法制化の流れもあると聞いていますが、世の中のニーズの高まりに合わせて制度整備がされるのは当社としても非常にありがたいです。大規模修繕で何が利益相反に当たるかは当社も研究しています。管理会社としての担当者が好き勝手にできないようにチェック担当部署が監視する体制も整備しています。
マンション管理会社の中でも最も外部管理者方式の導入を積極的に進めている合人社計画研究所。フロントとしての現場経験が長い徳川誠氏は、外部管理者方式はデベロッパー、管理組合、管理会社全てにメリットがあると強調する。同業他社が管理戸数を絞り込む傾向すらある中、独り拡大路線を狙う理由と、今後の管理業界についても語った。