それでも買う!狂乱の市場に克つ! マンション 最強の売買&管理術#30Photo:PIXTA

新築マンションの供給が年々縮小する中、大手マンションデベロッパーの間での優勝劣敗が進んでいる。首都圏では新規開発がほとんどなくなった企業や、M&Aで首位に成り上がった企業も。淘汰を経て生き残った企業の中で、最後まで残る企業はどこなのか。特集『それでも買う!狂乱の市場に克つ! マンション 最強の売買&管理術』(全33回)の#30では、マンションデベロッパー各社の未来を業績や事業分析から読み解こう。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

「メジャー7」がメジャーでなくなっている?
ランキング10位以内には4社のみ、低下する存在感

 新築マンション業界にしばしば出てくる「メジャー7」。三井不動産、三菱地所、住友不動産、野村不動産、東京建物、東急不動産、大京の7社から成る、中核マンションデベロッパー群を指す。7社が2000年に共同で作った販売サイトの名前からそう総称され、日本のマンションデベロッパーの中心的存在、と長らく見なされてきた。

 2000年代中盤には、当時の不動産ミニバブル期に創業した新興マンションデベロッパーが担い手となって、マンションの大量供給が行われた。その後08年のリーマンショックで、こうした新興デベロッパーはほぼ全て経営破綻。彼らが自転車操業の資金繰りのため、抱えていたマンションの在庫を激安で市場に放出し現金化に動いたことで、マンション価格が暴落した。「資金さえあれば誰でもマンションを開発できる」状況はリーマンショックを境に一変した。新興デベロッパーが消え、マンションを新規開発できるのはメジャー7を中心とした大手、とされてきた。ところが今、この7社すら「中核」ではなくなりつつある。

 そもそも不動産経済研究所のまとめによる24年のグループ別の供給戸数ランキングのトップ10に入っているメジャー7は、野村不動産、三井不動産、住友不動産、三菱地所の4グループしかいない。

 1978年から28年連続マンション供給戸数日本一という記録を持っていた大京は、04年に産業再生機構の支援が決定、05年にはオリックスグループに統合された。今はランキングでは全体14位、オリックス不動産と合わせてグループで1211戸のみを供給する中小デベロッパーになってしまった。

 さらに業績を分析すると、他にも将来マンション開発から撤退をしそうな会社すらメジャー7の中には現れているのだ。

 新築マンション相場が上がり続けているのと裏腹に、マンションデベロッパーの中では激しい生存競争が繰り広げられている。マンションデベロッパーは今後どうなるのだろうか。次ページでじっくり見ていこう。