2023年決定版 インフレ時代の「負けない」マンション売買・管理#21Photo:PIXTA

マンションの日常管理を行うための管理費、そして将来のマンションを維持するために大切な修繕積立金が、コストインフレで大きく値上がりしている。今ほど管理組合の財政問題が重要となる時代もない。特集『2023年決定版 インフレ時代の「負けない」マンション売買・管理』(全24回)の#21では、どうすれば「インフレ時代の管理組合のカネ問題」が解決できるのかを考えてみよう。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

2022年はここ10年で最大増の新築管理費・修繕積立金
タワマンでは1万円以上の管理費値上げも

 マンション管理を取り巻く全てのコストが値上がりを続けている。東京カンテイの調査によると、新築分譲マンションの平均管理費は70平方メートル換算で、2013年から22年までで20%上がり、修繕積立金は15%上がった。実はこの上昇カーブの右肩上がりの角度が、10年間で最も急になったのが22年だった。管理費は21年から7.9%、修繕積立金は7%上がった。この傾向は23年も続くだろう。

 この流れは中古マンションでも同様だ。あるタワマンでは「電気代だけで1平方メートル当たり60円もの値上げが必要となり、70平方メートル換算だと1万4000円の値上げに相当する200円の値上げを行った」などの話が相次いでいる。

 管理費は、共用施設の清掃、日常管理・点検などの「フロー」、修繕積立金は長期的に行う大規模修繕工事のための「ストック」に当たる費用だ。管理費は共用部の電気代、それに管理会社に支払う管理委託費などから構成される。管理委託費には清掃員や管理員の人件費が入る。そして修繕積立金は将来の修繕に必要となる工事費などから構成されるが、これがどれも「爆上がり」しているのだ。

 こうした管理費・修繕積立金の値上げに、マンション管理組合とそして住人はどのように対応したらいいのだろうか。次ページから見ていこう。