おまけにグチってばかりいる人は、たいていその状況を変えようという行動が伴わないもので、そのためいつまでもグチの連鎖から抜け出せない。

 だけど、人間、グチの1つも言わずに立派に生きていけるかというと、そうでもない。言っても仕方のないこととは思っても、ついグチりたいときもある。誰かにその気持ちをわかってもらいたいときもある。弱音を吐き、友人に「大変だね」と1言声をかけてもらいたい。それで気がすむということもあるのではないだろうか。

 それがわがままだということも、あなたはわかっているだろう。しかし、そんな勝手な言い分を聞いてくれる相手を持つのは大切なことだ。

 グチをこぼせる相手は、できれば自分と同じような仕事をしている、お互いの状況がわかり合える立場の人がいい。

 あまり近すぎる関係ではないほうがいいだろう。というのは、あなたのグチが周囲に伝わってしまう可能性もあるし、そこから新たなトラブルの火種が生まれてしまうことがあるからだ。

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 また、批判的な人や、お説教やアドバイスばかりする人よりも、余計なことを言わず共感を持って聞いてくれる人がいい。相手もグチっぽい人ではいけない。不幸者同士が集まってグチグチしていると、余計に辛気臭くなってしまう。

 それより、ひとしきりあなたがグチったら、笑い飛ばしてくれて、「さあ、また頑張ろう」という気分にさせてくれる明るい人がいいだろう。

 グチるときは制限時間をつくるといい。そしてグチったあとはスッキリ気持ちを切り替えて、解決への行動を始めることだ。