嵩が漫画賞賞金ゲット!→昭和10年「10円」の価値はどのくらい?【あんぱん第13回レビュー】

明治・大正・昭和時代の「男らしさ」
吉田鋼太郎が演じる上での塩梅を語った

 明治大正昭和を生きてきた男性は、男らしさ、女らしさを厳密に分けていて、男らしさにこだわっていたイメージ(当時を知らないのであくまでドラマや映画で描かれてきたイメージ)がある。

 釜次も典型的な、男性は強い存在で働いて家族を食べさせるもので、女性は慎ましく家事を行うというような役割だと思い込んでいる。

 吉田の格別に大きな声は、男性の強さの表れのようだ。ただ、あまりにそれが強烈になると、令和の穏やかな関わりを求める視聴者には受け付けないだろう。

 釜次役の吉田鋼太郎にインタビューしたところ、その塩梅を考慮しているようだった。

「釜次はテレビドラマ『寺内貫太郎一家』(1974年)で小林亜星さんが演じた頑固親父のイメージがあるそうなのですが、当時のようにちゃぶ台をひっくり返したり、息子を投げ飛ばしたりするような激しい動きはできないです。朝のドラマでもありますから、さじ加減が必要ですね」だそうだ。

 また、「僕らはとても大きな声を出すことで感情を表していました。いや、それは僕だけかもしれませんが(笑)」とも言う。

「いまの若い方々は、声を荒げることなく、喜怒哀楽をちゃんと表現できています。20代でそこまでできる?とびっくりするばかりです」と、自分のやり方を押し付けず、若い世代との共生を考えている。60代にしてアップデートを考えている吉田のインタビューも合わせてご覧いただきたい。