食物繊維としても欠かせないきのこ
扱いやすい菌活アイテム
そして、色々試してみてもヨーグルトだけでは便秘が改善されないというなら、食物繊維が不足していないか振り返ってみよう。食物繊維は、便のかさを増やすものとしても、善玉菌のエサとなるものとしても、欠かせない存在。となると、食物繊維が豊富な「きのこ」に注目してみたい。
今が旬ではないものの、年間を通して手に入り、価格も安定しているきのこ。きのこを漢字に変換すると、「菌」になるくらい、きのこそのものが菌である上に、腸内の善玉菌を育てるために必要な食物繊維も併せ持つ。
脂質を気にしたり、塩分を気にしたり、カロリーを気にしたり…といった必要がないのも良い。わざわざきのこスープを作らなくても、炒めものや味噌汁の具としても良いし、ほぐしたきのこをアルミホイルに包んで、トースターで加熱して、ゆず胡椒やみそ、少量であれば焼肉のタレなどで味付けして、おかずの一品にしても良い。加熱時間が短くて扱いやすいのも、菌活のアイテムとしてはなんともうれしい。
また、乳酸菌つながりでいくと、ヨーグルト以外にも、チーズやキムチ、糠漬けにも菌は含まれている。抗アレルギー作用、整腸作用がいわれているが、油ものや肉食が多くて腸内環境が乱れている人は、同じ乳酸菌の中でも、乳脂肪が多い乳製品ではなく、キムチや糠漬けを選んだ方が良いだろう。
いずれにしても、食事でとりこんだ菌は、便となって3日ほどで体外に排泄されてしまうため、日々継続して食べることが大事だ。特に、乳酸菌は体内に長くとどまることができない。気まぐれ的な摂取で終わらないようにしよう。
コンビニでも手に入る発酵食品
朝食に取り入れることから始めよう
また、日本は発酵大国ともいえるくらいに、菌の力を利用して作られる発酵食品が多くある。実はコンビニでも手に入りやすく、菌活は日常に取り入れやすい。ヨーグルトはもちろん、チーズ、納豆、キムチ、味噌……、さらに生鮮食品が充実しているところなら、きのこもお目にかかることができる。
これらの発酵食品は、組み合わせて食べることでより効率が上がる。納豆キムチはそのままでもいただけるし、味付けとしての組み合わせでは、味噌バターなんていうのもありだ。キムチは胃腸が弱い人には積極的におすすめできないが、ダイエット中の朝食にコンビニで買える「納豆」「キムチ」「ごはん」を取り入れることを徹底したクライアントは、体重が落ちた以外にも、便通が整ったり、ガスの臭いが減った、と効果を感じていた。
ただ、便秘解消に目的をおくのであれば、やはり、朝食をきちんと摂ること、できるだけ1日3度の食事のリズムをつくること、が基本となる。その上で、菌活で腸内環境をよくすることに加え、食物繊維の多い食品や水分を充分に摂ること。さらには、ダイエット中だからと極端に脂質を控えることなく、便のすべりをよくする脂質もちゃんと押さえること。……結局はバランスよく食べてください、ということになるのだが、極めようとすればキリがない。
同じコンビニでも何を選ぶのか、手間をかけたくない中で何を選ぶのか、といえば、菌活、という視点は、多忙なビジネスマンには向いているのかもしれない。