けれども、こうしたことはあまり言わないであげてほしい。弟や妹ができると、上の子はだいたい「赤ちゃん返り」をして、これまでできていたことができなくなったり、今まで以上に親に甘えてわがままを言うようになります。自分に振り向いてくれなくなった、と思ってしまうからです。そうではない子ども、つまり「しっかりしたように見える子ども」は、うんと我慢をしているのです。
どちらにしても、「上の子」はお母さんに嫌われまい、もっと自分を見てほしい、と思っています。
できるだけ、「しっかりしなさい」「我慢しなさい」という言葉を使わないであげてください。
昼間はどうしても下の子に時間をとられるのは仕方がありませんが、下の子が寝たあとにふたりだけで、おやつを食べながらしばらく話を聞いてあげるとか、ときどき上の子だけを連れてどこかへ遊びに行く、といったことで「一人っ子」の気持ちを味わわせてあげるといいと思います。
偏食は無理やり
直す必要はない
これはきょうだいがたくさんいても同じことです。それぞれの子どもたちひとりずつに、少しの時間でいいですから、「お母さんとふたりだけ」という時間をつくってあげるといいと思いますよ。そうした時間があれば、子どもはきょうだいがたくさんいても「ひとりひとり、全員がそれぞれ大切にされているのだ」ということを理解するでしょう。
じゅうぶんに愛されていることがわかれば、弟がわがままを言っても「聞き分けがないのは小さいのだからしょうがないな」という気持ちが、小さいなりに育っていくものです。
もちろん、それできょうだいげんかがまったくなくなるはずもありませんけれど、上の子が極端に怒りっぽくなったり、扱いにくくなるようなことはないと思います。
よくある「偏食」も、別にむりやりなおす必要もないと思います。ほどほどにバランスがとれていれば、好きなものを食べさせてあげればいい。