2~3カ月そうやって過ごして、姪は元気になって学校に戻り、親元に帰っていきました。

 もうとっくに大人になって子どもを持つ立派な主婦です。

 いまもときどき「おじちゃん、あのときは楽しかった。ありがとう」と言ってくれますよ。

 とくに何をしてあげたわけではないけれど、気のおけない親戚のおじちゃん、おばちゃんと、年下の男の子が3人いる家というのは、適度な親しさと、適度な距離があったことがよかったのでしょう。親ほどは近くない、しかも、この人たちは自分の生活を監視して親にぜんぶ報告したり告げ口したりは絶対にしない、という信頼感もあったのだろうと思います。「この人たちは自分の味方だ」と思えたのでしょうね。

 我が家としては、なにせ5人のうち4人が男ですから、女の子が家にいるのが珍しくてしかたがない。なにか家のなかがパッと明るく、華やかになったような気がしましたね。高校生にもなると女の子は、男の子とは違うことをいろいろ手伝ってくれます。

 男の子も頼めば手伝ってくれるけど、やっぱり女の子はちょっと違いますね。

「おばちゃん、これは私がしてあげる」なんて、料理などを手伝ってくれるので、妻は心から「ありがとう」と言って喜んで、楽しそうでした。

親戚付き合いが
子どもにはいい経験になる

世代の違う人と交わること、
老いた人の死を見届けることも、
大切な経験です

 とくに都会住まいだと親戚づきあいも減ってしまっていると思いますが、親戚同士というのは、精神的に「少し遠い」という距離が子どもにとってはとても居心地がいいときがあります。できることなら、自然にこうしたつきあいが続き、ゆるやかに助け合えるような関係をつづけてほしい。それは子どもにとっても大人にとっても本当にいいことだと思います。