東大生の44%超が私立中高一貫校出身!では世帯年収1250万円以上の割合は?写真はイメージです Photo:PIXTA

近年、「学歴社会こそが経済格差の原因である」「学歴ではなく、経験で人を判断するべき」という意見がメディアで取り上げられ、話題となった。だが、子どもの「学歴」にも「体験」にも、結局は親の経済力が大きく影響する。貧困家庭の子どもが学歴を積もうと思えば、「奨学金の受給」が必要となるが、そこにもまた大きな課題が存在した……。※本稿は、ヒオカ『人生は生い立ちが8割 見えない貧困は連鎖する』(集英社)の一部を抜粋・編集したものです。

格差をなくすには
「学歴」か「体験」か

 2021年、テレビ番組で「若者の格差社会をなくすためには」というテーマで議論が行われた際、起業家の平原依文さんが「学歴社会こそが経済格差の原因であると思います。だからこそ、人を評価する判断基準は学歴ではなく、その人個人が持つ唯一無二の経験。〔そうすれば〕いつからでも、自分の頑張り次第で結果も生み出せて、収入格差がなくなると思います」と発言し(注1)、格差をなくすには「学歴」か「体験」か、という大きな論争が起きた。

 この話題はネット上で大激論となった。

 学歴こそ唯一平等に闘えるものだという意見も多かったが、「学歴」も「体験」もどちらも親の収入の影響をもろに受けるものの最たる例だと思う。経済的に豊かでなくても、“地頭が良ければ”経済的に豊かな人と渡り合えるというのは事実だろうが、全体の傾向としてはやはり親の収入と学力・学歴は強く相関する。