テレビ朝日【林修の今知りたいでしょ!】に著者出演! 作品を見ても「スゴい」「ヤバい」しか言えない人は何をすべきか?〈再配信〉Photo: Adobe Stock

読者の反響が大きかった記事を再配信します。(記事初出時の公開日:2020年3月14日)
「爆発的に面白い!! 『図工2』の僕が、現代アートに惹かれる理由がわかった」(中原淳氏/立教大学経営学部 教授)
「『考える』の前に『観る』がある。『観る』がなければ『考える』もない」(山口周氏/独立研究者)
「美術は『思考力』を磨くための教科だったのか!とわかる本」(藤原和博氏/教育改革実践家)
「人間の『知覚』と『表現』という魔法の力を解放してくれる一冊!」(佐宗邦威氏/戦略デザイナー)
各氏がこぞって大絶賛し出版された『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』は、現在22万部を突破するベストセラーとなっている。20世紀アートを代表する6作品を通じて「アーティストのように考える方法」をわかりやすく解説し、多くの読者に「こんな授業が受けたかった…!」とため息をつかせたその内容とは――?

「スゴい」「ヤバい」しか感想がない人

美術館などでアート作品を見ても、「よくわからない」「『きれい』『すごい』としかいえない」「どこかで見聞きしたウンチクを語ることしかできない」――そんな方が多いのではないかと思います。

端的にいえば、そういう人は「作品をよく見る」ことができていません。自分の感覚器官を駆使して作品と向き合うことは、「自分なりの答え」を取り戻すための第一歩です。

しかし、「作品をよく見る」ことは、意外と難しいのです。作品のタイトルや解説文だけに「答え」を見つけ出そうとしてしまう人がほとんどです。

そんなときにおすすめなのが、「アウトプット鑑賞」です。作品を見て、気がついたことや感じたことを声に出したり、紙に書き出したりしてアウトプットすればいいのです。

どんなあたりまえなことでもかまいません。次々とアウトプットしていくことで、漠然と眺めるよりもはるかに「よく見る」ことができます。できれば、誰かと一緒に「アウトプット鑑賞」をやってみるとさらに面白さが増します。相手の気づきが新たな気づきを生み、自分だけでは思い至らなかったようなことまで考えるきっかけになるからです。

前回の記事では、あのパブロ・ピカソが1907年に描いた《アビニヨンの娘たち》という絵のお話をしました。アビニヨンというのはスペインの地名であり、5人の娼婦が描かれています。

キャンバスに油絵具で描かれた大作で、数あるピカソの作品のなかでも、とくに歴史に残る名作とされています。サイズはおよそ縦2.4メートル、横2.3メートル。日本の一般家庭の天井にも達しそうな大きさの絵画です。