VWゴルフe-TSI R-LineVWゴルフe-TSI R-Line/価格:7DCT 455万 3000円。ゴルフはFF2BOXの世界標準。現行モデルは8代目 Photo by Koujirou Yokota

デビュー50周年を迎えたVWゴルフ
よりスタイリッシュに、より使いやすく進化

 昨年、デビュー50周年を迎えたVWゴルフは、FF2BOXの世界標準化に大きく貢献し、つねにHBのベンチマークとして高い完成度を誇ってきた。現行8代目は、時代が求める“電動化/運転支援の強化/デジタル化”を推進した意欲作である。2019年秋に欧州で発売され、日本ではやや遅れて2021年6月にデビューした。

 ところが不運が重なった。コロナ禍に伴う半導体不足と、ウクライナ情勢の悪化が加わり、VW全体の生産能力が低下してしまったのだ。そのため需要に供給が間に合わず、販売にかつてのような勢いは見られなかった。導入翌年の2022年の日本での販売は1万台を下回った。かつて年間販売が2万台を大きく超えていたことを思うと、その影響は甚大だった。せっかく新車効果が期待できるタイミングでの生産の遅延は、実にもったいないというほかなかった。

 デビュー後3年のタイミングでリファインされた最新ゴルフは、基本はそのままに、よりスタイリッシュに、より使いやすく進化している。シャープになったヘッドライトとバンパーの相乗効果で、見た目の印象はだいぶ変わった。前期型はフロントグリルの位置が低くされた影響か、ボンネットがやけにふくらんだように見えた。新型はその印象が薄れている。バランスが適正化され、スタイリッシュになった。夜間には新たに採用されたフロントのイルミネーション付きエンブレムが印象的だ。