一段と進化を果たした
“世界のベンチマーク”モデル
パフォーマンスも気持ちいい。1.5L直噴ターボエンジンは、幅広い回転域で力強いトルクを実現している。極低回転域では小排気量エンジンならではの弱点があるはずだが、48VハイブリッドシステムのBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)が効果的にサポートしているようだ。思いのままに加速する。BSGのスペックは控えめながら、いざとなると最大200Nmと、48Vシステムとしては比較的大きなトルクを発揮するという。その能力を最大限に引き出している印象を受けた。
7速DCTもいい出来栄えだった。かつて指摘されたギクシャク感はなく、ダイレクト感と歯切れのよいシフトチェンジが味わえた。これも48Vマイルドハイブリッドと組み合わせた効果のひとつに違いない。
気になったのはブレーキフィール。エネルギー回生を積極的に行っている影響か、ペダルタッチはやや不自然に感じた。最新版のパサートPHEVの場合は、ずっと自然な踏み応えを実現している。この点はもう一歩のリファインを期待する。
久しぶりにゴルフに触れて、感心したのは素晴らしいパッケージングだ。扱いやすい4295×1790×1475mmのボディサイズながら居住スペースは広々。荷室スペースも十分だ。しっかりとした作りと相まって、「いいクルマに乗っている」と感じた。
一段と進化を果たした“世界のベンチマーク”モデルは、これからが本領発揮である。
(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/横田康志朗)