謝罪するビジネスマン写真はイメージです Photo:PIXTA

世間では「謝罪」が大流行りだ。不祥事や事故を起こした企業の謝罪、問題発言をした政治家の謝罪、不倫をした芸能人の謝罪……と、さまざまな謝罪の言葉や映像が世間にはあふれかえっている。しかし、こうした謝罪の言葉を聞いていると「本当に自らに非があると思っているのだろうか?」といぶかしく思ったり、うさん臭さを感じてしまうことも多い。「とにかく謝ればいいんだろう?」といった本音が透けて見え、「そんなもので納得できるわけがないだろう」とあきれてしまうのだ。「誠実な謝罪」と「いかがわしい謝罪」とはどこが違い、どうしたら見分けられるか。そして自分が謝る立場になった場合、謝意がきちんと伝わるよう誠実に謝るには何に気をつけたらいいのだろうか?(心理学博士 MP人間科学研所代表 榎本博明)

うさん臭さが漂う謝罪とは

 仕事をしていると、謝罪しなければならない場面があるものだが、どうも“うさん臭さ”が漂う謝罪というのがある。では、どうしたらうさん臭くない、効果的な謝罪になるのだろうか。

 そのことを考えるにあたって、まずはうさん臭さの代表ともいえる謝罪会見を見てみよう。

「誤解を与えたとしたら、誠に遺憾です」
「ご心配をおかけしたのだとしたら、申し訳なく思います」

 問題発言で誰かを傷つけてしまった著名人や、不祥事を起こしてしまった企業などがメディアで糾弾された際に、謝罪会見の場でしばしば用いられるセリフだ。しかしこのセリフ、どことなく“いかがわしさ”が漂っていないだろうか?