他人とのコミュニケーションは、気を遣うし疲れます。
けれどなるべくラクに、自分らしく、たのしく会話したいもの。そして良い印象も与えたい! ですよね。
この連載では、日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車、日本アイ・ビー・エムなど多くの省庁や企業で講演や研修を担当し、15年間にわたって約7万人の老若男女にコミュニケーションを教えてきた『オトナ女子のすてきな語彙力帳』の著者、吉井奈々さんが「自然体のまま」で「相手も自分も大切にするコミュニケーション」のコツをご紹介します。
得するお詫びの言葉ベスト1
よく言われることですが、ミスはした後が肝心です。ミスしたあとの一言目で、印象は大きく変わると言っても良いでしょう。本当に申し訳ないと思っているのに、それが伝わっていなかったら、損ですよね?
たとえば、
「すみませんでした」
とだけ言っていませんか?
けして間違いではありませんが、場合によっては「口だけじゃない?」「ちゃんと謝る気あるのか?」と思われてしまうことも。
謝る時は、
「◯◯のこと、申し訳ありませんでした」
このように、おわびする具体的な内容や理由を加えましょう。より相手に伝わりやすくなります。
たとえば、「先日の発注ミスでご迷惑をおかけしたこと、おわび申し上げます」。こんなふうに謝ると、理由をわかったうえで謝罪していることが伝わり、「ちゃんとわかっている人」という印象になります。
得するお詫びの言葉ベスト2
恐縮しているときや、申し訳ないことを別の表現で伝えたいときは、
「合わせる顔もありません」
と伝えてもいいですね。面目なくてその人の前に出られないという意味です。心から恐縮して、申し訳なく感じていることが伝わります。
得するお詫びの言葉ベスト3
場合によっては、何度もお詫びの気持ちを伝えたいときがあると思います。ただ、くり返し「すみません」「本当にすみません」「申し訳ありません」と言っていると、ちょっとくどいですね。
そんなときは、
「重ね重ねおわび申し上げます」
と伝えましょう。くり返し謝罪したいほど、深く謝りたいという気持ちを表します。「重ねておわびいたします」でもいいでしょう。謝罪の表現としては、やや重めなので、状況に応じて使ってください。
おわび上手は、幸せになれる
頭ではわかっていても、謝罪する場面では責任を回避したい気持ちが働いて、つい自己弁解や言い訳が増えてしまいがち。
そんな人は「謝る=自分の評価が下がる」という不幸な未来ではなく、「謝る=信頼関係が回復できる」という幸せな未来を想像してみてください。実際、素直におわびできる人は、まわりからの評価も高いものですよ。
『オトナ女子のすてきな語彙力帳』では、無理なく自然体でできるコミュニケーションのヒントをたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
(本記事は『オトナ女子のすてきな語彙力帳』をもとに編集しています)