トー横キッズとして集まっている若者たちは経済的に困窮している場合がほとんどなので、連中はそれを利用して闇バイトに関与させようとします。男であれば、薬物や違法品の運び屋、特殊詐欺の出し子など。女であれば売春です。
残念ながら、シャワーを浴びたいからという理由だけで、売春に行く子もいるのが、彼ら彼女らを取り巻く実情ですから、犯罪グループにとっては男女問わず都合のいい調達先となってしまっています」
犯罪集団から狙われる「トー横」キッズ
求められる若者にとって安全な環境整備
また、歌舞伎町の事情に詳しい暴力団関係者が明かす。
「トー横エリアの路上については、現状どこか特定の組のシマにはなっていません。そこにいる若者たちも流動的なので、仕切ることもなかなか難しい。
なので、いろんな組が若い半グレやスカウトなんかを使って、個別にキッズたちに声を掛けていて、どの子を掴まえられるかは早いもの勝ちになっています。
クスリや売春だけでなく、闇バイトに手を出している子たちも多く、ヤクザや半グレが主導するトクリュウの末端として使われている面は多分にあります」
トー横キッズに限らず、こういった若者たちの抱える問題を解決するためには、まずは若者たちが安全に過ごせる環境を整備することが不可欠だ。

ありきたりだが、特に未成年においては、家庭内での問題を早期に発見するための仕組み作りと、児童相談所などの福祉機関を通じた支援の強化を地道に続けていくしかない。
路上生活を選ぶ成年者に対しては、職業訓練などの社会復帰プログラムをどう届けるかが課題だ。こうした世代に向けては、SNSを活用した啓発活動や、安全な居場所への誘導が効果的だと考えられるので、行政における広報活動の強化が重要だろう。
パパ活にしてもトー横キッズにしても、そのような状況を生み出している根底には、今の日本が抱える経済格差の広がりや、社会的孤立者が増加しているという問題がある。
こうした若者たちが未来に希望を持てる環境を作り出すためには、政治や行政だけでなく、家庭、学校、地域社会が一体となって問題に取り組んでいくほかない。