
中間管理職に求められるリーダーシップは時代とともに変わりつつある。目標達成から組織エンゲージメント向上までさまざまな仕事を担うマネジャーにとって今後、意外にも重要な武器となるのが、「かわいさ(=人間としてのチャーミングさ)」だ。なぜ今、“かわいさ”が求められるのか。(mento代表取締役、ビジネスコーチ 木村憲仁)
昭和は「強さ」、平成は「優しさ」
時代とともに変わるリーダーシップの形
「理想の上司」と聞いて、皆さんはどんな人をイメージするでしょうか?
「背中で語る」「カリスマ性がある」、はたまた「部下の意見を聞ける」「部下に寄り添える」……。人によっていろいろなイメージがあると思います。
しかし、実は求められる上司のあり方は時代とともに大きく変化しています。これまで良しとされてきた上司像が、時代に合わなくなったり、逆に部下へ悪い影響を及ぼしたりしている光景を目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
例えば、昭和の時代、日本企業ではトップダウンの組織構造が主流でした。「俺についてこい」「背中で語れ」などのフレーズに象徴されるように、当時求められていたのは上司の絶対的な権力による上位下達の支配型のリーダーシップ。部下は上司の指示に忠実に従い、組織の目標達成のために尽力することを期待されてきました。
しかし、バブルの崩壊によって社会が混乱し、正解のない平成の時代に突入したことで、上司に求められるものも大きく変わりました。