ベンチャースピリットで、「まず、自分がやる。」
ウエディングパークが、自社のカルチャーを醸成させる仕組みは他にもある。そのひとつが、新入社員が新たな社内制度を提案する「せどつく」だ。
戸田 「せどつく」は、入社して半年後の新入社員がチームに分かれて、制度を考えるというもので、『Ship』の「高め合うために、競い合う。」が実践される仕組みになっています。社員が何に困っているのか?――新入社員だからこそ見える会社の姿があります。社員へのヒアリングやアンケートなどの調査を行いながら、まずは制度案をつくり、それを経営サイドに提案し、その中から、必ずひとつ以上が採用されます。決して、「つくって、終わり」ではありません。制度として、しっかり運用できるようにするため、先輩や上司の力を借りて、制度案をさらに磨き、経営サイドに再び提案するのです。制度の運用体制はどうするのか、経理数字やコスト面をどうクリアするのか、制度を社員に浸透させるにはどうしたらいいか、など――新入社員がリアルに考えることで、経営者の視点で会社全体を見る力も養われます。
また、全社員が新規事業を立案する「N1」という制度もあり、そのうちの一案が事業化されていくという。
戸田 「N1」は、「ネクスト1、ナンバー1」の意味を込めて名付けられています。弊社のビジョンである「21世紀を代表するブライダル会社を創る」を実現するためには、いま取り組んでいる事業だけではなく、常に新しい事業を生み出さなければなりません。「せどつく」同様、「N1」は、社員が経営者の視点を養うことのできる機会であり、『Ship』の「まず、自分がやる。」の体現でもあります。そして、『Ship』の「100年経っても、ベンチャースピリット。」も、この制度の背景にあります。設立から20年以上が経って、弊社は安定していますが、ビジョンを実現していくには、既存事業だけでなく、新しい事業の創出も必要であり、そういった新しい挑戦には不安定はつきものです。ただ、そういった不安定な状況を乗り越えていくプロセスの中で、社員も会社も強くなっていくと考えています。
「N1」には、そうした“適切な緊張感”を生み出す効果もあるのです。ベンチャースピリットを持ちながら、まずは自分がやるという意識のもと、それぞれが事業責任者になったつもりで考え、プレゼンの場には全社員が参加します。「どんなアイデアが出てくるのだろう?」「すごく面白い事業が生まれるかも」――ドキドキする空気を楽しみながら、みんなで次の事業を考えていくのです。
