初代スイッチの前の任天堂据え置きハードだったWiiUは、ゲームパッド(正式にはWiiU GamePad)という液晶ディスプレイ搭載のコントローラーが最大の特徴であった。
テレビにメインの画面を映し、手元のゲームパッドの画面に参考用の地図を映し……といったゲーム体験は新鮮で面白かったが、従来のコントローラーに比べると何しろべらぼうに重い。
初代『スプラトゥーン』はゲームパッドにジャイロ機能が備わっていて、パッドを右に左に傾けて敵に狙いをつける必要があったので手指の運動量が半端なく、筆者はそれによって過去に患った腱鞘炎をまんまと再発させた。あのゲームパッドが約500グラムだそうで、コントローラーフル装備のスイッチ2はそれをしれっと超えてきているのであった。
すると懸念されるのは携帯モードユーザーたち(小学生や、自宅で携帯モードでプレイする人)の手と指である。長時間のプレイングは腱鞘炎を引き起こす可能性がある。
スマホもあからさまに大型化傾向
コロナ禍も後押し
スイッチだけにあらず、近年のスマホも徐々に大きくなってきている。2011年発売のXperia rayは53×111×9.4mmの重量が100グラムというコンパクトさであった。もっともこれは「コンパクトスマホ」と称されていた製品群のうちのひとつだが、スマホ全体が徐々に大きくなってきたため、「コンパクト」も定義から変わってだいぶ大きいサイズがそう称されるようになって、最近では200グラム近いスマホも珍しくなくなってきた。
象徴的だったのはiPhoneの小型路線だったiPhone 13 mini(64.2×131.5×7.65mm 140g)が2023年に販売終了したことである。この製品の売れ行きが良くなかったのはバッテリーの悪さなども関係していたらしいが、概ね市場が小型スマホを求めていないことが、この件によって示されたのだった。
スマホは10年単位で徐々に大きくなってきたが、コロナ禍がさらにそれを後押しした。巣ごもりの間は家でスマホで動画を見たりゲームをしたりすることが多く、より大きくて高画質なディスプレイのスマホが好まれるようになったのである。