大型化するスマホに対抗する形で、一定の需要のもとに進化していくかに思われたコンパクトスマホは、思ったより人気がなくて潰えてしまい、スマホはいよいよ大型化一直線にかじを切りそうである。
GoogleやSamsungなどから出ている折りたたみスマホも、「スマホを折りたたんで小さく持てるように」というよりか、「大きいスマホをなんとか持ち運べるように折りたたもう」という切り口である。あるリーク情報には世界トップの企業の次期デバイスがやはり大型化する……なんて話もある。
腱鞘炎はもはや“現代病”?
完全に休めるのが難しい
そういえば筆者も先日スマホをより大きいサイズのものに買い替えたが、主な理由は「より大きい画面で漫画が読みたかったから」であった。そうしたらちょうど買い替えの直後くらいから、急にいい自転車が欲しくなって、呪いにかかったようにスマホで毎日何時間も自転車を眺めているうちに、ここ最近落ち着かせることができていた腱鞘炎がまたぶり返した。
Wii Uの時はスプラトゥーン、今回は自転車欲しさきっかけで再発した腱鞘炎は、なんとも子どもじみた理由なので恥ずかしく、個人的な症状と思って静かにしていたら、実は同じようにに腱鞘炎や関節症予備軍的な症状に悩まされている人は多かったようだ。
ニチバンが行った調査によると国内で700万人が手首に痛みを持つと推計された。また同社のテーピングシリーズは前年比で1.4~2倍の売り上げをマークしたそうで、関節炎の症状を自覚して自前で何か対策を講じようとしている人がそれだけ増えてきていることがうかがえる。
腱鞘炎や関節症の主な原因はスマホだけではなく趣味(ゴルフや楽器)、育児、家事など多岐にわたるが、一度患ってしまうともう100%の状態までなかなか戻らないのがやっかいである。腱鞘炎の治療は該当部分を使わず休めるのが大切だが、特に手・指は日々の生活の中でどうしても使うので、完全に休めるのが難しい。
医者にかかるのが一番なのは大前提として、関節の負担を減らしてくれるテーピングは有益な選択肢である。過去に私も症状がひどい時にはしていたが、テープを「H」の字に指に貼るだけで割り箸で添え木したよう感覚(動かしにくさと守られている感)が面白かった。
デジタルデバイス大型化の時代なので、腱鞘炎・関節炎はもはや現代病といってもいいのかもしれない。きっと未来は脳に直接スマホを埋め込んだり、目の前の中空に3Dホログラムで情報を表示したりして腱鞘炎とは無縁になるのだろうが(未来は未来で「脳が重い」とか「乱視になりやすい」とかやっていそうである)、このいかにも物理にとらわれている感のある腱鞘炎のアナログ味には、今しか味わえない趣きがある。
腱鞘炎自体は歓迎しないが、技術革新を呼び起こす前段階で必要とされる集団腱鞘炎と考えればまだ救いがある。